ある冬の日、そこに謎の茶色いもけもけの物体(どうやら食べられるらしい)を見つけてからと言うもの、ポストのそばのエルダーフラワーの株元が気になって仕方がない最近のウタリ。いつものトイレ以外にも、ドアを開けよ、としきりに訴えてくるのですが…。
今朝も、そんなウタリにいざなわれ、きりきりと冷える庭に出て、またポストのそばまでお付き合い。なんと言っても探索はウタリ(犬族全般)の大好物。できるだけ付き合うことにします。
ところがウタリ、今朝はその向かいの木の根本をフゴフゴ、カキカキ。一体そこに何があるんだね?と覗き込んでいると、とつぜん背後からブゥーン!と何者かがやってきて、’ちょこん’と目の前の木の枝に止まったのです!!
おもわず視線を上げると、目に飛び込んできたその姿の、インパクトのあることと言ったら!!!目の周りは歌舞伎役者のような黒い縁取り、そして頭には立派な冠羽がツンツンと三角形にこれまた凛々しく盛り上がっています。
「こんな鳥、観たことないっ!」

開いた口が塞がらないとはまさにこのこと。身体の羽毛は空気を含みふわふわと丸く、それでいてキリリと引き締まった顔立ち。なんとも言えない堂々たる様でこちらを観ています。もちろん私もその姿に釘付け。
私たち、しばし見つめあった後、その方はピチチチ、と防風林の方角へ飛んで行きました。家へ飛んで帰ってその姿を忘れぬうちに調べてみると、どうやら「カシラダカ」という鳥らしいことが判りました。

また出会いたいなぁ。こんなことが起きるから、ウタリの極寒への誘いも悪くない。などとウタリがくれたこの「仕合わせ」を思いつつ、すっかり目が覚めた私は、今も窓の外のどこかにいる、あの歌舞伎役者のことを想うのでした。そして、肉眼では見た事のない、ツンと尖った頭の野鳥が、この世に本当に存在するということをこの目で確認し、しばらくは、興奮冷めやらぬのでした。
ところで、ウタリの気になっていた茶色のもけもけの正体は一体何だったのでしょう?この記事を書いている今、そのブームはすでに過ぎ去ったご様子で。今はお隣の農家さんの畑に残されていたカサついた南瓜に夢中だそうです。来年こそは、あの正体を突き止めるゾ。
カシラ〜ダカ、カシラダカ〜♪(チャルメラの音程で暗記するために歌う)
